土地と建物の関係

日本の法制では土地と建物はそれぞれ独立の不動産として権利の客体とされます。つまり、それぞれ独自の法律的運命に従うことが予定されており、独立に譲渡され、担保に供せられます。したがって土地所有権とその土地上の建物の所有権が別個の人格に帰属することは通常の事態となります。この場合には当然のことながら建物所有権の基礎になんらかの土地利用権が設定されざるをえません。これに対してヨーロッパ諸国の法制においては建物は原則として独立の不動産として法的に評価されていません。例えばドイツ民法は建物、樹木などを土地の本質的構成部分と規定し土地所有権の内容に属するものとしており、スイス民法も同趣旨の立場を採用しています。フランス民法では、土地と一体をなす建物などは性質による不動産、土地の利用、経営に供せられた物は用途による不動産と称せられ、いずれにおいても土地と同一の法律的運命に従うことが予定せられ、原則として建物を独立の不動産としては取り扱っていません。このように日本の法制は土地と建物の関係について、比較法的にみれば、独自の立場を採用しているといえます。

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建物所有権の基礎としての土地利用権の形式は物権としての地上権および債権としての賃借権があげられます。両者それぞれについて民法共の地上権に関する規定賃借権に関する規定が適用されます。地上権は物権としての性質において譲渡性、相続性を有し担保に供せられます。地上権設定地への妨害には、自己の権利にもとづいて排除請求をなしえ、賃借権は対人権としての債権の性質において、譲渡、転貸は賃借人の同意なしには禁止され担保に供せられることもできません。相続性および賃借権にもとづく妨害排除請求は判例、学説上承認されています。土地と建物の所有著が任意に分離する場合には当事者によって以上の二つの形式のいずれかが選ばれるわけですが、担保権の実行の結果はじめてそれぞれの所有者が分離するという場合については法律が特別の配慮を行なっています。つまり土地所有者との交渉の成立をまって土地利用権が設定されるという方式を踏むことは建物所有権の不安定性をもたらすことになり建物を独立の不動産として担保権の目的に供しうるとする制度の趣旨が生かされません。そこでこのような場合には地上権が設定されたものとみなされることになっている。これを法定地上権の制度といいます。
土地利用権の形式として利用されるのは賃借権が圧倒的に多く、民法典は物権を対物権、絶対権、債権を対人権、相対権として峻別、構成することによって売買は賃貸借を破るという原則を維持しています。つまり建物所有者の土地賃貸借権は賃借地が第三者に譲渡された場合にはその第三者にはもはや対抗することができません。もちろん民法六○五条は賃借権を登記することによって爾後の土地取得者に対抗しうる途を認めていますが、この登記は賃貸人、土地所有者の同意なくしては不可能であるために、結局のところ建物所有権の運命は土地所有者の意思にかからしめられるということになります。この結果は建物を独立の不動産として権成しそれが独自の法律的運命に従うことを予定する民法の立場と矛盾するものです。建物所有権に独立の存在意義を確保することはその基礎となる土地利用権の法的安定性を保障することにほかなりません。民法典施行後一○年を経過した期治四二年に制定された「建物保護に関する法律は、地上権および土地賃借権はその登記がなくとも土地上の建物についての登記があれば爾後の土地取得者に対抗しうるものと規定して、利用権保護の第一歩を踏みだしました。大正一○年には借地法が制定され建物の所有を目的とする地上権及賃借権について特別の規制を行なうことになりました。大正一○年借地法の主要な趣旨は、建材が朽廃せず現存しているがぎり借地権を可及的長期に存続させ、建物所有権の経済的意義をまっとうさせようというところにありました。同法は第一に期間満了の際に借地人の契約更新請求権を認め、地主が更新に応じない場合には建物の買い取りを強制することとし、第二に期間満了後に借地人が利用を継続する場合、地主が遅滞なく異議を述べないかぎり契約が更新されたものとみなし第三に借地権の存続期間中に建物が滅失し借地人が借地権の残存期間をこえて存続するような建物を築造する場合、地主が遅帯なく異議を述べないかぎり借地権は滅失のときから起算して堅固な建物について三○年間、その他の建物について二○年間存続するとしました。さらに昭和一六年の借地法改正によって地主は正当の事由のないかぎり借地人からの契約更新請求を拒絶することはできないこととなりました。建物所有の保護、土地賃借権強化は、さらに建物所有を土地に対する一つの資本投下としてとらえ建物所有権の自由な処分による投下資本の回収可能性を求める社会的需要の増大にこたえる方向で進むことになりました。

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